斜視があると、物を見るときに左右の視線が同じ方向を向いていません。
また弱視は、異常がないのに眼鏡で矯正しても視力が出ない状態を指します。
斜視になると物が二重に見えることで、発育段階の子供の脳は混乱が起きないよう斜視になっている眼で物を見ないようになります。
このため、斜視を起こしている眼は弱視になります。
左右の眼から入った別々の情報は脳に伝わり一つの像となります。これを両眼視と言い、両眼で物を見ると言う事が重要になってきます。またこの機能は小学校就学前の6歳から8歳までに完成します。そのため成長した後に治療を行っても両眼視の改善は見られません。
現在は三歳児検診や小学校就学時検診が実施されており、この時に見つかることもあり、このことから早期発見、早期治療、がとても重要になります。
◆症状
テレビを見るときや物を見るとき、画面に近づいたり、目を細めたり、見づらそうであったり 正面を向いたときに片方の黒目が内側(内斜視)や外側(外斜視)、上下(上斜視・下斜視)に向いていたりします。
◆原因
・斜視の原因は様々です。多くは眼を動かす筋肉の異常で起こります。
全身の疾患によるもの、ケガなど外傷性のもの、強い遠視、近視、乱視があると起こります。
・弱視の原因は斜視に起因することも多く、また視力の左右差(不同視弱視)、先天性のもの、
長期間の眼帯使用などでも起こります。
◆検査
視力検査 屈折検査 眼位 立体視など年齢や状態に合わせて行います。
◆治療
・斜視の場合、斜視の原因によって治療法は分かれます。
遠視などの屈折異常が見られるときは眼鏡を用いて矯正し、視力の改善を図ります。
また手術によって眼位の矯正を行うこともあります。
・弱視の場合、屈折異常、斜視による弱視、先天的白内障、眼帯の使用時間の影響で弱視に及んだもの、など様々ですが、治療法としては斜視に行われる治療法と同じく眼鏡、アイパッチなどを用いての眼位矯正、視力の改善、または手術による眼位矯正を行います。
子供の視力矯正は時間がかかるため、周りの理解や家族の協力が必要です。
子供の将来に深く関わるため、視力が出るようになってもしばらくの受診が必要です。
当院では毎週土曜日元東京大学病院視能訓練士による斜視、弱視外来を行っております。予約制ですのでお電話で予約の上来院ください。